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04/20/2012    15の春 -第2話- (全6話)
前期試験合格通知の後に中学で保護者説明会があって、妻は乗り気がしないながらも行ってきた。その場面でも合格者の親と不合格者の親には目に見えない壁があったことだろう。お互いに気を使ったり使われたり、というのも嫌なものだ。

なぜ、この時期に保護者説明会をやるのか、と妻も憤慨していた。確かに、必要があるなら前期試験発表の前に開催すれば、保護者の立場はイーブンで、全員がフラットな気持ちで臨めるじゃないか。

合格した生徒の親は先生に「お世話になりました」なんてお礼の一言も言えるだろうが、不合格者の親はそうすることもできなかった、と言っていた妻の言葉を聞くと、僕は学校の無配慮を腹立たしくさえ思った。

前期試験は多分、合格は難しいだろうということはわかっていたつもりだった。

しかし、不合格という現実は容赦なく僕達の頭をレンガで殴りつけるということを身を持って思い知らされた。不合格者の対岸にいる合格者の存在が、そんな感情をいっそう浮き彫りにする。

僕は前期試験の結果が出るまでは、意外と「最終的には何とかなるだろう」と長男の受験を楽観的に考えていたフシがあった。そして、受験のことも塾のことも妻まかせ、といった感じだった。

しかし、前期試験で味わった不合格という3文字は、そんなに甘いもんじゃないという現実を僕に突きつけた。

前期試験は不合格になってもまだ後期試験がある。切るべきカードはまだ残されている。それでも実際に不合格になるとそのショックは相当なものだ。だとしたら・・・

だとしたら、万が一後期試験で落ちてしまったら、その落胆はいかばかりか。

僕の胸の中で、不安は雪だるまみたいにどんどん大きくなっていった。もう不合格の喪失感を味わうのはまっぴらだ。

前期試験での不合格は、自分の息子はドラマの主人公みたいに特別な存在なんかじゃない、ということを思い知るのに十分だった。

特別な存在じゃないということはどういうことか。それは、たくさんいる受験者のうちの一人にすぎないということだ。それは、テストの得点が及ばなければ落ちるということだ。

そう考えると、不合格がリアルに起こりえるという紛れもない事実が怪物のように恐ろしく感じられた。

15の春を泣かせたくはない。それが親というものだ。では、そのための特効薬をプレゼントしてあげることはできるだろうか。その答えは「NO」だ。親としては何もしてあげることができない。僕はせめてもの行動として毎朝愛犬ライムと一緒に神社にお参りに行き、長男の合格祈願をすることにした。

それは家族には内緒だった。お世辞にもカッコイイ行動だなんて思えないし、何より長男に知られて逆にプレッシャーになっても良くないと思ったからだ。(ちなみに、妻は好きなコーヒーを絶って願かけをしていたことを後で聞いた。彼女もまったく同じ気持ちだったのだ。)

3/6へつづく

2012_mimosa.jpg
今年の春のミモザ。

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