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04/23/2012    15の春 -第5話- (全6話)
とにかく試験は終わった。長男は重い荷物をとうとう降ろした。しかし、視界にはまだモヤがかかったままだ。このモヤは合格発表まで晴れることはないのだ。

合格発表までの1週間、もう出来る努力は何もない。ボールはもう投げてしまった。できることといったら、神様にお願いすることと心配することだけだ。心配してもしなくても結果が変わるわけではないのだが、心配せずにはいられない。

誰かと会話でもしているとまだ気がまぎれるのだが、1人になるといつでも不安が僕の肩に手を回す。

2日目の試験は得意科目で点数を稼ぐつもりでいたのに、どうも出来がもう一つだったらしい。本人も100点をとるくらいの意気込みでいたのに、100点どころか90点も怪しい、と自嘲気味に話していたのを聞き、もしかしたらヤバイのかな・・・なんて不安になった。

毎日夜遅くまで塾でがんばっていたのに、塾の時間の兼ね合いからロクな夕食を食べられなくても泣き言一つ言わずがんばっていたのに、もし落ちてしまったら、その努力は一体何だったんだろう ?

どんなに努力をしたところで、不合格になれば志望校ではない別の高校の入学式に出て、別の制服を着て別の高校生活を送ることになる。長男の心には朝日は輝かないだろう。そんなことを考えると胸が張り裂けそうになった。やり場のない不安が毎晩僕を攻め立てる。

そんな中、妻の職場の先輩がこんな話をしてくれたと言う。

その先輩の息子さんは受験に失敗して志望校ではない高校に通ったそうである。極度に緊張するタイプで、本来の実力が出せなかったそうなのだ。きっと、本番で頭の中が真っ白になってしまったのだろう。

結果を受け、なんでも塾の先生方に「申し訳ありませんでした」と頭を下げられたそうである。なんとも気の毒なシチュエーションである。察して余りある。

しかし、志望校でない高校に通った彼は、切り替えてしっかりと努力をし、大学受験では見事に早稲田大学に合格したというのだ。

結果的には、志望校ではない高校に通ったことがかえってよい結果につながった、そんな風に振り返ることが出来る。

高校受験で志望校に合格することだけがすべてじゃない、ということを彼は証明してみせたのだ。

その妻の同僚の方も、こんなアドバイスをしてくれたそうだ。もし失敗するようなことがあったとしても、親が思っている以上に子供は強いから大丈夫。すぐに立ち直って切り替えることができるから。

そのアドバイスは実際の経験に基づいているからこそ説得力があるし、勇気付けられる。

そんな話を聞くと、高校受験に失敗することを怪物のように恐ろしく考えていたけれど、実はそんなに怖いものではないと思えた。

どんよりとしていた心の中が一瞬パッと明るくなる、そんな話だった。

とは言っても、心の暗雲がなくなるということはなかった。この暗雲を取り去ることができるのは、合格の二文字だけだ。

6/6へつづく

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